貧乏母子家庭でも私立高校に進学する方法。学費を支援する制度7つ【2022年版】

黒板の前に立つ男女の学生の人形子供の教育費の話

母子家庭の我が子は、自己負担金ゼロ円で私立高校に進学しています。ゼロ円私立高校生。

実は、各種の国の支援制度を利用することで、学費負担ゼロ円で私立高校に通うことができます。具体的に、国の支援金制度は2つ。

  • 高等学校等就学支援金制度
    (この制度の改正で私立高校授業料実質無料に)
  • 高等学校等就学給付金制度

この制度によって目安として年収590万円以下の世帯は、この2つの支援制度で私立高校の学費の自己負担が軽減されます。

その他、民間や私立高校独自の支援制度、福祉団体による貸付制度が5つあります。

  • 母子福祉貸金貸付金制度(返済の必要あり)
  • 生活福祉資金貸付制度(返済の必要あり)
  • 民間の育英奨学金(給付型・選抜アリ)
  • 各私立高校独自の特待制度(給付型・選抜アリ)
  • 都道府県独自の私立高校学費の支援制度

児童扶養手当の受給世帯や非課税世帯なら、合計7つ全ての私立高校の学費支援制度を利用しなくても、ほとんどの私立高校へ進学できるはずです。(私立高校の学費の平均年間44万9千円(月謝約37,500円)程度の場合

この記事では、各種の私立高校の授業料支援制度を順番に説明していきますので、私立高校の授業料が払えるか心配のご家庭は参考にしてみてください。

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私立高校の学費を支援する制度1 高等学校就学支援金制度

2020年度(2020年4月)から、就学支援金制度が変更され、私立高校の授業料が無償化され、
多くの家庭の私立高校の授業料の自己負担が、軽減or無くなります。

今現在、生活が厳しく子供の高校進学の支援、援助が必要な人の希望になりますね。

新高校一年生は、入学式の日や入学説明会の時に説明があるはずですので、聞き逃しないように。
受験前の段階で学校見学時に聞いてみるのもおすすめ。

所得制限など詳しい話は>>2020年度から始まる、高校無償化の情報

高等学校等就学支援金制度での高校の授業料の支払い方について

私の子供が通う高校は、高校1年生の4月から授業料の満額が引き落とされ、夏頃に学校側から返金されました。

入学後は毎年申請して審査を経て、学校から補填される金額の通知が来て、学校に支払う授業料が分かるという流れでした。

この高等学校等就学支援金制度の対象者の授業料の支払いの流れは、学校によってマチマチです。

高等学校等就学支援金制度の手続きは、入学後に保護者が申請→世帯年収の審査→支援金の支給が決定。

という流れだけが決まっていますが、授業料をいついくら払うのかについては、審査が済むまでは授業料の支払い請求を家庭にしない高校があったり、審査中も授業料の請求をして後日、家庭に清算するなど運用は色々です。

高等学校等就学支援金そのものは、国から学校に直接授業料が入金されるので、国からの個人への入金はありません。

参考サイト
文部科学省サイト(高等学校等就学支援金制度サイト)

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私立高校の学費を支援する制度2 高等学校等奨学のための給付金制度(高校生等奨学給付金)

先述べた高等学校等就学支援金制度の他にも私立高校に行く子に向けた支援制度があります。高校生等奨学給付金制度です。

小中学生でお世話になった就学支援制度の高校生バージョンと考えて下さい。

この高校生等奨学給付金制度は、制服代、修学旅行費、文房具、学校で使用する問題集、辞書などなど・・・。それらの一部を支援するための制度です。

対象者

  1. 所得基準 生活保護(生業扶助)受給世帯又は市町村民税所得割非課税世帯であること
  2. 高校生等が高等学校等就学支援金の支給認定を受けた者又は学び直しへの支援事業対象者であること

この高校生等奨学給付金制度も、シンママ片親家庭だけが対象ではなく、低所得世帯(住民税非課税世帯)で私立高校や公立高校に通う子供が対象です。

住民税非課税世帯になるかどうかの全国共通の年収は、ひとり親なら扶養家族の人数に関係なく、204万4,000円。

それ以上の年収でも自治体独自の基準によって住民税非課税世帯になることもあります

>>母子家庭の住民税非課税世帯の年収は204万4,000円。or子供の数と自治体による基準あり

国基準の支援金額は以下を参考にしてください。

国の補助基準

生活保護受給世帯【全日制等・通信制】

  • 国立・公立高等学校等に在学する者:年額3万2,300円
  • 私立高等学校等に在学する者:年額5万2,600円

非課税世帯【全日制等】(第一子)

  • 国立・公立高等学校等に在学する者:年額7万5,800円
  • 私立高等学校等に在学する者:年額8万4,000円

非課税世帯【全日制等】(第二子以降)

  • 国立・公立高等学校等に在学する者:年額12万9,700円
  • 私立高等学校等に在学する者:年額13万8,000円

非課税世帯【通信制】

  • 国立・公立高等学校等に在学する者:年額3万6,500円
  • 私立高等学校等に在学する者:年額3万8,100円

また、この高校生等奨学給付金制度は、国の基準を元に自治体によって金額や受給できる条件が違います。

子供が二人いれば第二子の条件クリアとして補助金を支給する自治体もあれば、子供二人が共に私立高校に通う場合に限って支給する自治体も。

参考に自治体ごとにどのような違いがあるのか、群馬県と神奈川県の私立高等学校等奨学のための給付金制度の金額一覧を載せておきます。

まずは群馬県。

 

対象高校生等世帯の区分給付金額(円)
通信制の高等学校等に通う私立高校生等(1)生活保護(生業扶助)世帯52,600
(2)市町村民税所得割非課税世帯38,100
通信制以外の高等学校等に通う私立高校生(1)生活保護(生業扶助)世帯52,600
(2)市町村民税所得割非課税世帯(ア)23歳未満の扶養されている兄姉がいる場合138,000
(イ)23歳以上の扶養されている高校生等の兄姉がいる場合138,000
(ウ)通信制の高等学校等に通う扶養されている弟妹がいる場合138,000
(エ)高校生等以外に15歳(中学生を除く)以上23歳未満の扶養されている弟妹がいる場合138,000
(オ)上記(ア)~(エ)以外84,000

引用サイト 群馬県高校生等奨学給付金(私立高等学校等)について

群馬県は、おおむね国の補助基準と同じです。
神奈川県を見てみましょう。

令和2年7月1日現在、生活保護(生業扶助)を受けている世帯
高校生等1人当たり年額52,600円
保護者等全員の令和2年の市町村民税所得割が非課税である世帯
全日制・定時制に在学する高校生等(第1子)年額103,500円
全日制・定時制に在学する高校生等(第2子以降)(※)1人当たり年額138,000円
通信制に在学する高校生等1人当たり年額38,100円

神奈川県のHPによると、生活保護世帯の補助金額は通信、定時制、全日制に関係がなく年額52,600円と読み取れます。

神奈川県の給付奨学金についてのチャートつきの資料のリンクも貼っておきます。市町村によって若干違いますが、共通の部分も多いので参考までに。

 

この高校生等奨学給付金制度は高校を通じて申請しますが、新聞報道によると、この高校生等奨学給付金制度の案内を生徒に伝えなかった学校もあったため、対象の生徒が受け受け取れてない状況がありました。

県への申請には、期限があります。申請は、7月~12月中旬まで。都道府県によって違うので、

詳しくは高校生等奨学給付金のお問合せ先一覧 を参考にするか、

「私立高等学校等奨学のための給付金制度 〇〇〇(お住まいの所在地)」又は「高校生等奨学給付金制度 〇〇(所在地)」でネット検索して問い合わせ先を確認してください。

私立高校、公立高校の授業料の負担が軽くなっても、諸経費はかかります。

高校の受験前に学費(特に諸経費)の自己負担がどのくらいのあるのか、各学校に問い合わせが必要です。

高校生等奨学給付金制度が支給される月は12月

7月期限で申請をする高校生等奨学給付金制度ですが、支援金が支給されるのは、12月で一括で個人の口座に支給されます。

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私立高校の学費を支援する制度3 民間の給付型育英奨学金

国の支援制度には所得制限があるので、0円私立高校生になれないことがあります。

そのため、0円私立高校生になるためには、民間の給付型奨学金も検討する必要があります。

 

自治体によっては独自の支援制度を設けて、所得制限で対象から外れた家庭にも私立高校生の授業料の支援をしているところもあります。

話を戻します。

民間の団体では、大学生だけでなく高校生対象の奨学金を給付している財団などの団体も、案外たくさんあります。

 

奨学金のお知らせは、学校経由が基本ですが、学校の先生によって奨学金のアナウンスに力を入れていない先生もいるし、先生が子供に伝えても親に伝えない子供さんもいます。

 

入学した時に担任の先生に奨学金の情報をしっかり伝えてほしいことと、子ども自身にも奨学金の情報をしっかり先生から聞いてくるように言っておいた方がいいです。

 

実はうちの子供が申し込んだ某財団の給付型奨学金は、学校で選考する予定だったのですが、学校に奨学金申請した子が我が子一人だったので、選考なしで学校推薦がもらえました。

民間の奨学金の体験談はこちらから。

 

今後、県や全国規模の審査があるので、奨学金を受け取れるかは分かりませんが、申請すらしないのは勿体ないですよ~。

一例として給付型奨学金を行ている団体を紹介。

公益信託 カトリックマリア会セントジョセフ奨学育英基金
高校生だけでなく小中学生にも奨学金を給付しています。

奨学金制度(公益信託 カトリック・マリア会・セント・ジョセフ奨学育英基金) | マリアニスト家族
基金の目的   マリア会日本地区本部にて   ▲ 庭園のマリア像 マリア会創立者 ▲シャミナード神父像この基金は経済的に恵まれない青少年の教育支援を通じて、人権を尊重し社会に奉仕する人を育てることを目的としています。◎2020年度には、119名に対し年間総額 2,856万円の援助を行いました。奨学卒業生交流会の模様教育...

古岡奨学会
母子家庭対象の給付型奨学金ですが、選考があります。
http://www.gakken.co.jp/furuoka/business/index.html#title01

他にも奨学金を給付している団体があります。探し方などは下の記事を参考にどうぞ。

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私立高校の学費を支援する制度4 私立高校独自の特待制度

昔からある制度なので、ご存知の方も多いと思いますが、今中学三年生なら、私立高校独自に成績優秀な生徒を対象に現金支給をする制度(特待)が利用できます。

成績優秀者やスポーツ実績があるなど条件がありますが、国の支援制度をプラスしなくても実質無料になる子もいるはずです。

(我が子もこの制度のお世話になってゼロ円私立高校生です。)

どのくらいの支援があるかは学校によって違うので、地域の私立高校に問い合わせるといいですよ。

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私立高校の学費を支援する制度5 母子福祉貸付金制度or生活福祉貸付金制度

母子家庭だけでなく一般家庭が利用できる高校の支援制度をまとめましたが、支援金は高校入学後に支給される場合がほとんどです。

しかし、制服代や教科書代など入学準備にかかる費用は、公立高校なら10万円位、私立高校だと40万円くらいかかってしまいます。

なので、制服代や教科書代など高校入学準備が足りない場合は、母子福祉貸金貸付金制度や生活福祉資金貸付制度で準備することになります。

母子福祉貸金貸付金制度は、各都道府県内の市町村が社会福祉協議会が窓口になっている制度で、保証人の有無で低利息(年1.5%)または無利子で資金を貸してくれます。

母子家庭などが条件となっているため保証人がいなくても借りられます。
ただ、審査から入金までに時間がかかるので早めの相談が必要です。

>>社会福祉協議会サイト

生活福祉資金貸付制度も、各都道府県内の市町村が社会福祉協議会が窓口になって経済的に苦しい低所得世帯に、低利息(年1.5%)または無利子で資金を貸してくれます。(保証人の有無で変わります。)

この制度は、教育資金にも利用可能です。

母子福祉貸金貸付金制度も生活福祉資金貸付制度も有利子の場合の金利が1.5%と同じなので、
シミュレーションをしてみました。

借入条件

  • 借入40万円
  • 返済期間3年
  • 金利1.5%
  • 元利均等返済(ボーナス払いなし)

返済

  • 元金 400,000円
  • 利子 9,317円
  • 返済金額 409,317円
  • 月々の返済 11,370円

【追記】

新型コロナウイルスによる外出の自粛によって、雇止めや給料遅配などがあり私立高校の入学準備金含む生活費が不足している場合も、社会福祉協議会による貸付金制度が利用できます。

場合によっては、返済が免除になることもあるので、社会福祉協議会に問い合わせてみてください。

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私立高校の学費を支援する制度6 教育一般貸し付け(国の教育ローン)

日本政策金融公庫でも、学費のためのローンがあります。

金利は1.78%の固定金利。年収200万円程度でも借りられます。

母子福祉貸金貸付金制度や生活福祉資金貸付制度と違って、申し込み完了から10日程度で審査結果がでるので、申し込みから20日で振り込まれるのが国の教育ローンの特徴です。

【外部リンク】
日本政策金融公庫 教育一般貸し付け(国の教育ローン)

金利1.5又は1.78%という低金利のお蔭で三つとも銀行ローンよりも金利が安いのでぜひ検討してみて。

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私立高校の学費を支援する制度7 都道府県独自の私立高校の学費支援制度

各自治体独自の支援金の上乗せによって、自己負担が限りなくゼロに近い自治体もあります。(所得制限はあり。)
たとえば東京都では、年収760万円未満(夫婦と子供2人のモデル世帯)で私立高校に通う子供は授業料が実質無料です。
大阪府でも、私立高校の授業料は原則無料、または保護者負担限度額が20万円までになるように支援があります。
埼玉県では、年収609万円未満の世帯に対して、私立高校の平均月謝分まで支援する制度があります。
その他、千葉県でも私立高校の授業料支援制度があります。
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市町村が運営する高校奨学金もあるよ!

高校進学が経済的に難しい世帯向けに、各市町村でも貸与型の奨学金を用意しているところが沢山あります。

給付型ではないので、借金と同じで返済しなければいけません。

しかし、金利も低いですし、高校を卒業までにかかる程度のお金は、どんな仕事でも返せるはずです。

高校を卒業した人が95%である現在は、金銭的な問題で高校進学を諦めるは非常に不利です。
市町村の奨学金の利用を考えてみてください。

【外部リンク】大学・地方公共団体等が行う奨学金制度

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私立高校の学費の支援のまとめ

進学高校なら月々の月謝にプラスして、課外授業料、模試の代金、参考書代などの集金が毎月5,000円位はあるのが普通だと思います。私立高校の学費として月謝の他にプラスアルファも準備しておく必要があります。

それでも私立高校向けの支援制度のお陰で経済的なことで高等学校に行けないなんてことは、ありません。経済的な問題で高校に行けないのだとしたら、それは情報不足です。ぜひ何が何でも高校を卒業してください。

コメント

  1. 匿名 より:

    >ちなみに、東京都は都の独自予算によって私立高校の授業料を無償化しているので、所得に関わらず東京都の私立高校に通う学生は授業料は実質無料です。

    とありますが、所得制限あります。

  2. ましまる より:

    さなさん、こんにちわ。子供が中3で受験を控えているシングルマザーです。
    こちらのサイトは以前から参考にさせていただいておりました。
    一応県立を目指している息子ですが、さなさんのblogを見ると私立の選択肢も
    あるな、と考えてしまいます。
    私の地元でも、私立は大学受験の環境が整っており、高校無償化を使えば
    全く学費的にも問題なく、むしろ塾が必要な県立よりお得に学習ができると
    思います。
    私立へ行かれた娘さんはそろそろ大学受験でしょうか?
    実際に通われてみて、私立高校ならではのメリット等あれば教えてください。

    • 管理人さな管理人さな より:

      ましまる様
      コメントありがとうございます。

      どの高校にも当てはまる一般論として、私立高校のメリットは論じにくいかもしれません。
      私立高校のメリットは、学校、もっと言えば先生に左右されると実感したからです。
      我が家の場合は、塾に行かなくてよいことを期待したのですが、
      結果的に教科担当の先生と娘の相性が悪くて、塾に行くことになりました(苦笑)
      また、学校によっては補習が強制で、合わない先生でも出ないと叱られたりetc.
      お子様がその学校に魅力を感じているかどうかで決める方がやっぱりいいかなと思います。
      通うのは本人ですからね。
      何かしら参考になったら幸いです。
      シングルママ生活、共に頑張りましょう!

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