住民税非課税世帯は、全世帯員(≒家族全員)が住民税非課税の世帯のことです。
母子家庭の住民税非課税世帯の年収は、
離婚・死別の母子家庭なら、非課税世帯(住民税非課税世帯)の年収は204万4千円未満です。
ただし、母子家庭に限らず、3人家族なら年収221万6千円未満、
4人家族なら271万6千円未満までなら住民税非課税世帯です。
☆目安として児童扶養手当を満額もらっている世帯は、住民税非課税世帯になる可能性が高いです。
>>児童扶養手当や子供手当、児童育成手当は年収に含まれるのか?
母子家庭含む住民税非課税世帯になる年収早見表【子供の人数別】
住民税が非課税になるかの全国共通の基準は、
上記の世帯年収204万4千円以上でも、市町村の基準で住民税非課税世帯に該当することもあります。
障碍者、未成年、寡婦or寡夫(未婚の母など)以外の住民税非課税世帯になる年収は、市町村によって住民税非課税となる所得の基準が変わるので、一律の年収を提示することはできません。
市町村によって住民税非課税世帯となる基準は変わりますが、何十万の差はありませんので表にしました。
会社員(非正規パート含む)の非課税になる年収早見表
☆自営業の方は後述します。「所得割」「均等割り」についても後述します。
所得割・均等割が非課税になる年収 | 所得割が非課税になる(均等割りはかかる)年収 | |
---|---|---|
※障害者・未成年者・寡婦(寡夫)の方 | 2,043,999円(所得125万円)以下 | 2,043,999円(所得125万円)以下 |
扶養親族のいない方(つまり独身) | 965,000円(所得315,000円)以下 | 1,000,000円(所得35万円)以下 |
2人家族(扶養親族が1名いる・例:未婚シングルで子供一人) | 1,469,000円(所得819,000円)以下 | 1,703,999円以下 |
3人家族(扶養親族が2名いる・例:未婚シングルで子供2人or母子家庭で子供2人) | 1,879,999円以下 | 2,215,999円以下(所得137万円) |
4人家族(扶養親族が3名いる・例:未婚シングルで子供3人or母子家庭で子供3人) | 2,327,999円以下 | 2,715,999円以下 |
5人家族(扶養親族が4名いる・例:未婚シングルで子供4人or母子家庭で子供4人) | 2,779,999円以下 | 3,215,999円以下 |
【注意】
- ※死別or離婚のママなら税法上の扶養者がいなくても年収204万円まで非課税。
- 市町村によって住民税非課税となる年収(所得)は若干違う。
- 税法改正により2021年令和3年度(令和2年1月1日から令和2年12月31日の間に得た収入)の住民税非課税世帯は、所得が現行の所得に10万円加算した所得金額の世帯(2020年令和2年現在の納税には関係ありません。)
- 令和3年から、未婚のシングルマザー(単身児童扶養者)も年収204万円未満で非課税世帯扱いとなる。
自営業者の住民税非課税世帯は、売上-経費=125万円以下
自営業者は売上から実際の経費を引くので、売上1000万円あっても、経費が900万円なら住民税非課税で、他に課税納税者がいなければ住民税非課税世帯です。
具体的な住民税非課税世帯かどうかの計算
125万円>住民税非課税世帯の所得=年収-経費
経費に社会保険料などは含みません。
住民税非課税世帯について、もう少し詳しく説明を続けます。
住民税非課税世帯とは?分かりやすく説明するよ。
住民税とは、都道府県と市町村に納める税金であり、住民税には、均等割りと所得割りと2つあります。
住民税(市民税+県民税) | 均等割り | 所得に関係なく定額 | 自治体により税金額は若干異なる |
---|---|---|---|
所得割り | 所得に応じて負担 | 「給料の支払額-給与所得控除」で割り出した 所得を元に計算する。 |
そして、住民税非課税世帯といっても納税金額が0円の人もいれば、所得割がなく均等割りのみ支払っている世帯もあります。
住民税非課税世帯は2種類。住民税0円世帯と均等割りのみ支払いの世帯。
住民税非課税世帯のうち、住民税が0円と均等割りのみ支払いがある世帯とでは、所得で区別します。
住民税非課税世帯 | 均等割り、所得割ともにかからない | |
---|---|---|
均等割り、所得割りともにがかからない | 前年の合計所得金額が基準金額以下の人 (基準金額は家族構成や市町村によりことなる。参考:965,000円(315,000円)以下) | |
所得割りがかからない。(均等割りのみかかる) | 前年の合計所得金額が基準金額以下の人 (基準金額は家族構成や市町村によりことなる。参考:独身で年収100万円以下所得30万円前後) |
【注意点】
- 2人家族でも、離婚死別の母子家庭の2人世帯なら、夫婦2人だけの世帯よりも所得があっても住民税非課税になります。
- 未婚のママも2021年令和3年納税分から住民税非課税になることもあります。
(事実婚は含まず)
母子家庭の住民税非課税世帯は、年収204万4千円未満or3人家族年収221万6千円未満
離婚・死別の母子家庭なら、扶養の子供の人数に関係なく源泉徴収票の支払総額が204万円4千円未満なら住民税非課税です。
また、母子家庭で204万円以上であっても3人家族で221万5千円未満(市町村によって違いあり)なら、(所得割なしの)住民税非課税世帯です。
母子家庭の住民税非課税世帯の計算
住民税非課税世帯の計算方法は、
- 所得を出す。(年収ー給与所得控除)
- 出した所得と住民税非課税世帯の基準所得と比べる
- 出した所得が基準以下なら住民税非課税世帯
所得は、国税庁の給与所得控除のページで所得の自動計算できます。
母子家庭の住民税非課税世帯の試算
子供2人の三人家族でそれぞれの年収で住民税非課税世帯かどうか試算してみました。
【注意点】
年収と所得は違いますし、所得は手取りではありません。年収は源泉徴収票で支払額を確認してください。
母子家庭子供2人 年収204万円以下 手取り10万前後
- 勤め人で年収204万円(源泉徴収表で『支払金額』のこと)
- 必要経費(給与所得控除)は79.2万円(税法で決まってます)
- 住民税非課税の条件は、子供の数に関係なく所得125万円以下→所得=年収ー給与所得控除=204-79.2=124.8万円
離婚死別母子家庭の住民税非課税条件は、所得が125万円以下なので住民税非課税です。
母子家庭子供2人 年収205万円
- 勤め人で年収205万円(源泉徴収表で『支払金額』のこと)
- 子供が2人の三人家族(住民税非課税の条件所得は126万円以下)
- 必要経費(給与所得控除)は79万6千400円(税法で決まってます)
→所得=年収ー給与所得控除=205万円ー79万6千400円=125万3千円
離婚死別母子家庭(寡婦)の非課税条件(所得125万円)よりも所得が上回りますが、3人家族の住民税非課税条件の所得基準126万円を下回るので住民税非課税世帯です。
母子家庭子供2人 年収221万円
- 勤め人で年収221万円(源泉徴収表で『支払金額』のこと)
- 子供が2人の三人家族(住民税非課税の条件所得は所得137万円)
- 必要経費(給与所得控除)は(税法で決まってます)
→所得=年収ー給与所得控除=221万円ー84万4400円=136万5600円
3人家族の住民税非課税条件の所得基準126万円を上回りますが、所得割なしの住民税非課税世帯の所得基準137万円を下回りますから、住民税非課税世帯です。
会社からもらう源泉徴収票で『寡婦控除』にレ点が付いているか確認してください。
月給が10万円程度で所得税や住民税が課税されている場合は、寡婦控除ができてない可能性が高いです。
詳しくは、シングルマザーで月10万円程度なら税金が取り戻せる話
住民税非課税世帯にならなかった未婚シングルマザーは令和3年から対象
かつて、離婚死別の母子家庭と未婚シングル母子家庭では、同じ年収204万円(例:時給800円フルタイムパート)だったとしても、未婚シングルの母子家庭は、住民税非課税世帯にはなりませんでした。
ですが、政府が未婚の一人親も寡婦控除と同水準になる税控除が2020年度より施行、2021年令和3年の納税から住民税非課税世帯の未婚ママがでてきます。
政府・与党は、未婚のひとり親の税負担を軽くする新制度を来年度から設ける方向で調整に入った。配偶者と死別・離婚したひとり親には税額控除を受けられる「寡婦(夫)控除」があり、不公平だとの指摘があった。
引用 朝日新聞 未婚ひとり親の税負担軽減へ
>>さらに詳しい話は「未婚の母は住民税非課税世帯になるとどう変わるか?」
住民税非課税のメリット(?)一覧
非課税世帯のメリットなんてないです。貧乏なだけ。
それでもいろいろな福祉制度がありますのでここでは住民税非課税世帯への支援制度を記載しました。
住民税非課税世帯への福祉制度1 国民健康保険料の減額
母子家庭に限らず、住民税非課税世帯や住民税非課税世帯に近い世帯は、国民健康保険料が自動的に減額されて請求されます。
住民税非課税世帯は、市町村によっては国民健康保険料が免除のところもあるようですが、ほとんどの市町村では減額のところが多いようです。(ブログ管理人さな調べ)
>>無職でも支払いあり。国民健康保険料についての記事を参考にしてください。
住民税非課税世帯への福祉制度2 保育料
保育料の算出は世帯の所得と連動します。そのため母子家庭に限らず、住民税非課税世帯だと保育料が安くなります。
住民税非課税世帯が無料になるかどうかは、自治体の基準しだいですが、母子家庭を理由にした無料化はありません。必ず所得を見られます。
住民税非課税世帯への福祉制度3 小中学校の就学支援金制度
修学旅行や給食費の補助、ノートが買える程度の現金支給があります。
年度の途中での離婚や引越しをするときに、申請漏れがあり得ます。
学校や教育委員会が申請の窓口になっていますので、問い合わせて下さい。
住民税非課税世帯への福祉制度4 高校や大学の給付型奨学金
高等学校や大学進学する非課税世帯の子供に対して給付型の奨学金が支給されます。
給付型奨学金 月3万円 政府、18年度から2万人
低所得世帯の大学生に返済不要の資金を提供する「給付型奨学金」が2018年度から本格導入される。財務・文部科学両省は自民・公明両党の提言を踏まえ、住民税非課税世帯の学生を対象に月3万円を給付することを決めた。1学年あたり2万人程度を想定、財源規模は200億円程度とする。厳しい経済環境に置かれた学生にも進学の道を開き、格差の是正につなげる。
住民税非課税世帯への福祉制度5 私立高校の授業料無償
住民税非課税世帯に限らず、ほとんどの家庭で公立高校の授業料の無償化はすでに実施され、私立高校の授業料も公立高校の授業料分補助が出ていますが、さらに2020年4月から多くの家庭で対象になる私立高校の授業料が無償化されます。
>>詳しくは2020年私立高校の無償化が決定!対象年収や自己負担金額をシェアの記事を参照してください。
住民税非課税世帯への福祉制度6 大学、専門学校などの授業料無償
大学や専門学校への授業料の無償化も始まりました。こちらも母子家庭に限らず住民税非課税世帯やそれに準じる世帯が対象です。
これにより、児童福祉施設出身の子供の大学進学へ道が開けます。
>>詳しくは大学や専門学校の授業料無償化の対象世帯や申請スケジュールについてを参考にしてください。
コメント