厚生労働省が、母子家庭の世帯年収の調査結果を公表しました。ネット上のニュースでも、母子家庭年収348万円。なんて見出しが躍ってます。
母子家庭、年収348万円=全世帯平均の5割弱-厚労省調査
厚生労働省は15日、母子家庭の世帯収入などに関する全国調査の結果を公表した。2015年の母子家庭の平均年収は348万円で、子どもがいる世帯の平均年収約707万円の49.2%にとどまった。
引用 母子家庭、年収348万円=全世帯平均の5割弱-厚労省調査
母子家庭の年収が348万円ということで、ネット上で「思ったよりも、稼いでいる!」なんて、驚いている人や当事者のシンママ、シンパパさん、不安になってませんか?不安になる必要はないと思います。だって、この調査報道は、報じ方が不正確だもん。
え!私も母子家庭だけど、年収348万円もないんだけど!?
まず、この見出しは、「母子家庭の年収」なんて言ってますけど、調査対象は母子家庭だけでなく、父子家庭も含んでます。
調査はほぼ5年に1度実施。今回は地震の影響を考慮して熊本県を除き、昨年11月時点で無作為抽出した母子・父子家庭など約4000世帯を対象とした。2510世帯から有効回答を得た。
引用 母子家庭、年収348万円=全世帯平均の5割弱-厚労省調査
しかも、4000世帯が対象になったけど、有効回答は2510世帯です。
どのように調査したのか不明ですが、「有効回答」という言葉から納税金額などの情報から統計を取ったというのではなく、当事者によるアンケートだと思います。
だから、平均年収が上がっていると考えることもできます。
なぜなら、役所から見返りや義務のないアンケートの協力願いが来て、返信できる母子家庭、父子家庭はあんまりいないと思うからです。
片親家庭で家事に育児に忙しいのに、アンケート書いて、封筒に入れてポストに投函って無理じゃない?
返信できたのは余裕があって真面目な母子父子家庭だと思います。私なら投函するの忘れちゃうよ。実際、回答した世帯も全体の約6割程度です。
それも4000世帯という統計というには小規模。どのくらい小規模かというと、ある私立高校の入試受験者数が4000人受験だそうです。
しかも、極め付けはこの調査は、同居する祖父母などの年収も含まれているんですよ(笑)
世帯年収には、同居する祖父母らの収入も含まれる。前回調査の10年の年収291万円から増えており、同省は景気が好調で賃金が上がっていることが理由とみている。
引用 母子家庭、年収348万円=全世帯平均の5割弱-厚労省調査
年収348万円の家庭とは、祖父母などのいる世帯も含んでの平均年収です。
ようするに、シンママ(シンパパ)だけが働いているんじゃなくて、ジジババなど稼ぎ手(年金受給者)が2人以上いる家庭も含めての世帯の平均年収が348万円なんです。
祖父母の年収込みで、父子家庭も含まれるデータなら、母子家庭の年収って言えないんじゃないか!?
まぁ、日常会話なら、母子のみの家庭だろうが、祖父母や自分の兄弟と同居してい家庭だろうが、「母子家庭」ってことにしてもあんまり不都合はないでしょうけど、この調査の場合は「母子家庭の年収348万円って見出し」はオカシイでしょう・・・。
この調査で母子家庭の年収348万円って見出しを付けちゃう新聞社って何を意図して、ニュースを出しているのかよく分からないです。
って、ことで厚生労働省のデータを調べてみたら、正確な母子家庭の平均年収が分かりました。
正確な年収は、母子世帯が243万円、父子世帯が420万円
正しく報道しているニュース記事があったので引用。
厚生労働省は平成29年12月15日、「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」の結果を公表した。平均年間収入(母または父自身の収入)は、母子世帯が243万円、父子世帯が420万円だった。
ほらぁ、母子家庭の平均年収、100万円も額が違うじゃん。なにが、母子家庭平均年収、348万円だよ、ボケ~。
ちなみに、母子家庭の年間の収入は平均243万円とは、養育費や児童扶養手当が含まれています。養育費を含まない母子家庭の労働による平均年収は、200万円です。
平成27年の母子世帯の母自身の平均年間収入は243万円(前回調査223万円)で、母自身の平均年間就労収入は200万円(同181万円)、世帯の平均年間収入(同居親族を含む世帯全員の収入)は348万円(同291万円)。
報道を鵜呑みにしないようにしたいですね。
コメント