母子家庭年収いくらで貧困?

独りぼっちの子供 シングルマザーの仕事の話

かつて、日本は全国総中流と言われていましたが、日本人全員の給料が減りつつある現在、TVでも貧困問題を取り上げる機会が多くなり、他人の懐具合や自分は貧困家庭なのか、どうなのかって気になるかと思います。

この記事では、貧困世帯の基準と、母子家庭の貧困になる年収、なぜ母子家庭が貧困なのか、その理由を解説します。

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母子家庭で貧困基準は、手取り約17万円以下

政府調査によると平成28年国民生活基礎調査を基にすると、貧困基準は以下です。

 

家族の人数 貧困の基準(貧困線)
1人世帯年収 122万円以下
2人世帯年収 172万5千円以下
3人世帯年収 211万5千円以下
4人世帯年収 244万円以下

(参考サイト 貧困統計ホームページ

調査によると、17歳以下の子供がいる貧困家庭の割合は、13.9%。
つまり、7人に一人の子供は貧困家庭です。

家族人数別の母子家庭の貧困の年収は、子供1人で手取り約14万5千円以下、子供2人で手取り約17万6千円以下です。

 

この貧困の基準は、相対的貧困と言われる指標を利用しています。

相対的貧困層の定義
国民生活基礎調査における相対的貧困率は、一定基準(貧困線)を下回る等価可処分所得しか得ていない者の割合をいいます。

貧困線とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得(収入から税金・社会保険料等を除いたいわゆる手取り収入)を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分の額をいいます。

この貧困の指標は、D・ウェッダーバーンら複数の学識者らの提案を元に世界銀行で作られた指標で、世界各国と比較検討が可能です。

そのため、経済協力開発機構(OECD)が貧困率ランキングを作成しています。

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貧困率世界ランキング!日本はG7でワースト3

主要先進7か国(G7:アメリカ合衆国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)の中で、18歳未満の子供の貧困率は、アメリカ、イタリアに次いで日本はワースト3位です。

国名 総合 18歳未満 18歳から65歳 65歳以上 統計年
 南アフリカ共和国 26.6 32.0 23.9 20.7 2015
コスタリカ 20.9 28.4 20.9 25.2 2018
トルコ 17.2 25.3 13.5 17.0 2015
イスラエル 17.9 23.7 14.1 19.9 2017
スペイン 15.5 22.0 15.4 9.4 2016
チリ 16.5 21.5 14.5 17.6 2017
アメリカ合衆国 17.8 21.2 15.4 23.1 2017
メキシコ 16.6 19.8 13.8 24.7 2016
ロシア 12.7 19.6 10.5 14.1 2016
リトアニア 16.9 17.7 14.2 25.1 2016
ギリシャ 14.4 17.6 15.4 7.8 2016
イタリア 13.7 17.3 13.9 10.3 2016
ポルトガル 12.5 15.5 12.6 9.5 2016
 韓国 17.4 14.5 12.7 43.8 2017
ニュージーランド 10.9 14.1 9.7 10.6 2014
スロバキア 8.5 14.0 7.8 4.3 2016
日本 15.7 13.9 13.6 19.6 2015
ラトビア 16.8 13.2 13.1 32.7 2016
ルクセンブルク 11.1 13.0 11.2 7.7 2016
イギリス 11.9 12.9 10.6 15.3 2017

おかしくないですか?

スラムがあって、強盗が東京の40倍という米国や、働いている人が5人に2人以下と言われるイタリアと比較して日本人は、真面目で勤勉なはずです。

それでも、子供の貧困は米国やイタリアに次ぐ割合!?

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なぜ母子家庭は貧困なのか?その理由。

日本において母子家庭が貧困になる主な理由は4つです。

  • 男女長時間労働で仕事を続けて子育てがしにくい
  • 給料のよい企業は、新卒一括採用をする企業が多い(中途採用が少ない)
  • 女性従事者が多い事務職などで派遣労働が許可されたことで、給料が低い女性労働者が増えた
  • 配偶者特別控除や企業の配偶者手当によりパート時給が制限されやすい>>つまり、これまでも女性は低賃金だったが、離婚が増えたことで女性の貧困とその子供の貧困が見える化された。

 

子育てと仕事の両立が難しい日本

「ワンオペ育児」なんて言葉も出てきた通り、子育てと仕事の両立は誰しもできるものではありません。

不況による人件費抑制の時代から最近の人手不足によって、一人当たりの労働時間はずーと長期化しています。

さらに、下手すれば男性は全国転勤がありますから、そのような中で妻は会社を退職せざるえません。

その他、晩婚化で介護と子育てが同時という人もいますし、核家族でも保育所や児童クラブに入所できないと言う人もいて、

結局女性が仕事を辞めて育児に専念するしかない現状が改善されていません。

それでも、一度退職して、子育てが落ち着いたらまた再就職すればいいのですが、日本の優良企業は新卒一括採用を行うところが多いので、一度会社を辞めてしまうと同じ条件で働くことが非常に難しいのが実情です。

一度退職すると同じ条件の会社に再就職することは難しい

日本では長らく、高校や大学を卒業したその年に学校求人から会社に就職するのが一般的な就労コースです。なので、求人は年一回で新卒者のみ。(新卒一括採用)

小規模企業では中途採用もありますが、若い人を採用したいという会社の事情により、年齢を重ねた人は採用に至らなかったり、「退職からブランクのある人」そのものを避ける会社もあるため、

男女問わず一度退職した人が新卒当時と同じ条件の会社で、再就職することはとても難しい社会です。

更に、これまで女性向けとして扱われていた仕事が、正規雇用から非正規雇用になり、給料が安く抑えらている現状があります。

派遣労働によって給料が安い

今から20年ほど前に労働者派遣法が改正され、ほぼ全部の職業で労働者を派遣できるようになりました。

当時の政府のアナウンスでは、派遣労働は、一度退職した労働者でも優良会社で働けて新卒よりも給料が高いことが魅力という触れ込みでした。(リアルタイムで覚えてます。)

特に派遣労働解禁の年は、不況による就職氷河期だったこともあり、派遣社員が凄く魅力的に映ったんですよね。

なので、事務職希望にもかかわらず、新卒で就職できなかった大卒や高卒の女性は、派遣社員になる人が私の周りでも多かったです。

しかし、派遣労働者の在籍年数が上がるにしたがって、給料の決定の仕方が違う正社員と派遣社員とで給料の開きが明らかになり、正社員と同じ仕事をしているのに、正社員よりも給料が低いことが問題になってきました。

そこで、会社側は派遣労働者と正社員の給料を同じにするため、正社員の給料を下げる(!)という斜め上の対応を取る会社や、

管理職以外部門の仕事の全てを派遣労働者に任せて正社員を雇用しない会社もあります。
(役所などはこのやり方で派遣の人が働いてますね。)

結局、派遣社員の給料は据え置きです。派遣社員だけではありません。パートの時給はずっと前から据え置きです。

パートの時給はずっと低く抑えられている

パートの時給が低く抑えられている理由は、給料が高くなると結婚している労働者が損する仕組みに制度設計されているからです。

具体的には、結婚している女性(主夫)の給料が201万円以下までは、段階的に納税や社会保険料の負担がなかったり、扶養控除額が多かったりと、世帯の手元にお金が残るようになっています。

しかし、結婚している女性(主夫)が201万円以上働くと、納税や社会保険料の負担があるので逆に世帯に残るお金が減ることがあります。

また、夫(妻)の勤め先の企業によっては、妻(夫)が働いて扶養から抜けると家族手当が廃止になる会社も。

 

そのため、パート従業員の大半を占める既婚女性は、働く時間をセーブしている人達がほとんどです。

特に、社会保険料の負担が始る130万円を超えないように働きたい既婚女性は沢山います。

ですから、会社側も、パートさんの年収がフルタイム労働でも130万円以上にならいように、なおかつ、できるだけ安い時給になるように調整していました。

 

最近やっと人手不足でパートの時給は少しずつ上昇していますが、もともと労働者を安い給料で雇うことで利益を出していた会社では、時給を上げずに事業から撤退したり、

既婚女性が働きやすい労働環境にすることで安い時給を維持するなどして、給料の上昇を抑えるので、パート就労のシングルマザーにとっては厳しい状況は変わりません。

 

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社会全体で女性が低賃金労働者にハマるように煽ってきた

このように、

  • 女性が結婚したら専業主婦にならざる得ない会社の雰囲気や夫の労働状況、
  • 保育所や学童クラブの不足による子育てと仕事の両立が難しい社会環境、
  • 企業側が子育てでブランクのある再就職希望者に門戸を開きにくい雇用環境、
  • 退職した既婚女性をターゲットにしたパート雇用や税の制度設計
  • パートタイマーの時給を上げるインセンティブがない会社側の都合など

既婚女性にメリットがある制度設計や社会環境の中、少数派のシングルマザー(独身女性)は貧困になりやすいのです。

 

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制度が作る貧困を「構造的な貧困」という

今どき、貧困は自己責任だという人は、世間を知らない勉強してない人です。(わたしもそうだった。)

制度が貧困層を作っている面は否定できません。

また、格差は、資本主義の産物で、必然。

資本主義の問題が自らの手で正されることはないので、こういう問題こそ政府の仕事だとわたしは思います。

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