離婚経験者が教える弁護士の選び方マニュアル2021年版

失敗しない離婚準備

わたしも離婚の際、弁護士に相談しました。

有利に離婚を進めるためには、弁護士に一度は相談するのが必須です。

ただ、弁護士に相談するにもお金や時間がかかります。どうせお金や時間をかけるのであれば、無駄なく相談したい!

わたしの体験から考える弁護士の選び方、相談のコツをシェアします。

>>弁護士に相談する以外にも離婚準備としてやるべきことがあります。『子持ちで貯金なしの専業主婦の離婚準備』も参照してみてください。

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離婚の弁護士の選び方は、チェックポイント4つ

離婚相談する時の選び方をまとめます。

  1. 離婚専門かどうかよりも相談しやすい場所にあるかで選ぶ
  2. 弁護士経験が4年以上の先生に相談
  3. 事務職が相談にタッチしない事務所がいい
  4. 依頼者の個人情報をしゃべる弁護士は論外

では、一つ一つ解説していきます。

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離婚弁護士の選び方 「離婚専門」よりも事務所の立地で弁護士を選ぶべき

最初に離婚相談する弁護士は、まずは自分が相談に行きやすい場所にある法律事務所の中で弁護士を探せばOKです。

そんな適当でいいの?って思うかもしれないですが、最初にする質問って

『離婚できるのか。できるなら慰謝料が取れるのか、親権は取れるのか』
又は『離婚されてしまうのか?』

という定型的な問題だと思います。

そういう決まり切った問題は、どの弁護士に聞いても同じ見解をくれます。
逆に、弁護士によって見解が違うとなると専門家の意味がありません。

 

なので、遠くにある『離婚弁護士〇〇〇』とホームページで書いてある事務所よりも、自宅近くや通いやすい場所にある法律事務所で、できるだけ早く相談にのってもらった方がいいです。

そもそも、『離婚に強い』や『離婚弁護士』と専門性を言うのは弁護士先生の自己申告で、医師のような認定制度がありません。

そのため、弁護士会では専門性をうたうのは望ましくないとアナウンスしています。

「専門分野」は、弁護士情報として国民が強くその情報提供を望んでいる事項である。
しかし、現状では、何を基準として専門分野と認めるのかその判定は困難である。

弁護士として一般に専門分野といえるためには、特定の分野を中心的に取り扱い、経験が豊富でかつ処理能力が優れていることが必要と解される。

ところが、専門性判断の客観性が何ら担保されないまま、その判断を個々の弁護士にゆだねるとすれば、経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害もおこりうる。

したがって、客観性が担保されないまま「専門家」、「専門分野」の表示を許すことは、誤導のおそれがあり、国民の利益を害し、ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあることから、現状ではその表示を控えるのが望ましい。

引用 弁護士 小川義龍の言いたい放題 弁護士の選び方

また、ある弁護士先生いわく、離婚問題だけを扱うことは不可能だと聞いてます。

なぜかと言うと、離婚といっても借金が絡んだ離婚や相続が絡む離婚など別の法的な問題とセットになることも多いからです。

また、離婚案件は儲からないというのも、離婚専門に扱う弁護士がいない理由だと考えられます。

離婚にかかる弁護士費用の相場を見れば分かりますが、離婚問題だけを専門にしていては、事務所を維持することができません。なので、法律事務所の多くは総合法律事務所なんです。

弁護士の費用の相場

話し合いの内容成功報酬の相場
慰謝料請求獲得金額の10%~20%

(100万円を獲得した場合10万円~20万円)

財産分与獲得金額の10%~20%

(200万円を獲得した場合20万円~40万円)

親権の獲得10万円~20万円
養育費の獲得1年分の養育費の10%前後

(年36万円(月3万円)の養育費の場合3万6,000円前後)

引用 離婚弁護士ナビ 離婚の弁護士費用 相場

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離婚弁護士の選び方 弁護士の経験年数が4年以上ある先生

私の失敗談から、この経験年数って結構大事なんです。

離婚問題が浮上した当時、私が離婚相談をした弁護士事務所は、複数人の弁護士がいる総合法律事務所でした。

そこで対応してくれたのは、どうみても20代後半~30代前半にしか見えない、自分とあまり変わらない年齢と思われる先生。

 

女性で話やすかったんですけど、一通りわたしの離婚相談を聞いた後、女性弁護士は「慰謝料請求は難しい」と言いました。

詳しい相談内容はここには書きませんが、わたしは納得できなかったので、「民法の710条を根拠に請求できませんか?」と聞いたら、「あっ!そうですね。できます。」との返事・・・。

頼りなさすぎ!!

今日、この記事を書くのにあたり、離婚相談にのってくれた弁護士先生の名前をググると、私が離婚相談したその年に弁護士登録をした先生でした・・・。当時の法律事務所には弁護士登録の年は書いてなった・・・。

どーりで・・・。

なぜ4年以上の経験がある弁護士に相談すべきなのか?

弁護士登録から3年以下の先生を避ける理由は、まだ修業期間だからです。

当事者である弁護士先生が3年目はまだ修行と言及してますので、紹介。

基本経験値といえば、登録1年目だけでなく、登録2〜3年目くらいまでは、基本経験値の底上げ修行期間中だろう。訴訟事件だと、それなりに争点があって研鑽できる事案は、提訴してから第一審判決まで、1年以上かかることが多いから、やっぱり2〜3年しないと訴訟事件を何度も繰り返し経験したとはいえないだろう。

引用 弁護士 小川義龍の言いたい放題 弁護士の選び方

どの仕事もそうだと思うのですが、最初の1年は無我夢中で取り組むことになり、2年目は、仕事と向き合う年、つまり流れを理解した仕事の再確認をする。

そして3年目は、自分と向き合う年、つまり前年の修正をしながら自分のスタイルを模索する年になると思います。石の上にも三年といいますしね。

弁護士の経験年数の割り出し方は、弁護士登録番号から分かる

さて、弁護士の経験年数は弁護士の登録番号から割り出すことができます。

弁護士登録番号は、日弁連の弁護士情報検索ページから検索することができる。調べたい弁護士の氏名を入力すると、検索結果欄の一番左に「登録番号」が出てくる。この数字が弁護士登録番号だ。弁護士登録番号は、登録年月日順に機械的に割り当てられてゆくので、この登録番号が小さければ経験年数が長く、登録番号が大きければ経験年数が短い(例外があるので後述する)。
引用 弁護士 小川義龍の言いたい放題 弁護士の選び方

登録番号が分かったら下記の早見表で登録年から今年で何年経ったのかが分かります。

ただし、出産や病気などで弁護士抹消の後、再登録された場合は、弁護士登録番号は新しくなってしまい、本当の経験値が分からないことがあるので、承知しておいてくださいね。

さて、弁護士登録番号から割り出す経験年数がこちらです。

登録13年    60期  35165~ ※この期から法科大学院卒業組が登場する。
登録12年    61期  37429~
登録11年    62期  39704~
登録10年    63期  41985~
登録9年    64期  44085~
登録8年    65期  46237~
登録7年    66期  48314~
登録6年    67期  50339~
登録5年    68期  52212~
登録4年    69期  53898~
登録3年未満  70期  55618~

(令和2年1月25日現在)

参考ツイート 弁護士 山中 理司2017年12月31日

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弁護士の選び方 相談予約をする時に、相談は弁護士が対応するか確認する

さて、離婚相談しやすい法律事務所もいくつかピックアップして、その中から経験年数が4年以上の先生を絞って、離婚相談をすることになりました。

電話をすると内勤の事務職の方が電話にでます。先生が電話に出ることはまずないです。

それで、離婚問題であることを伝えてアポを取ることになりますが、その時に電話にでた事務員さんに「弁護士先生が対面で相談にのってくれるか?」と言うことをきちんと確認した方がいいです。

高いお金を出すのですから、弁護士が相談を受けてくれないのなら行く価値がありませんし、本来、弁護士が相談業務を法的なルールです。

しかし、弁護士さんはあいさつだけで、実務に詳しい事務員さんと途中で交代するというやり方で事務所を経営している弁護士もいると聞きます。

なので、弁護士が相談対応してくれるのかしっかり聞いた方が良いです。

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弁護士の選び方 別の依頼者の個人情報をベラベラしゃべる弁護士に注意

これも私が経験したのですが、知人に紹介してもらった弁護士にある相談に行った時に、

私の相手方の名前を確認して『〇〇さんって××にいる〇〇さんとご親戚ですかね?僕はその人に☆☆の案件で絡んで~』

おい!しゃべるなよ!!!守秘義務はどうした!!!

単純に苗字が同じなだけで親戚でもなんでもない人だったのですが、ホントに知人同士だったら自分の抱えている法律問題が他人にバレるなんて不味いでしょ・・・。

特に離婚問題は、プライベート中のプライベートです。初回の面談で他の依頼人の個人情報をベラベラしゃべる弁護士は、職業倫理感に欠けます。

弁護士先生が話やすかったり料金が妥当だったりしても、離婚の場合はそれらの出来事の詳細が子供の縁談にまで影響することもあるので、相談中に個人情報をベラベラしゃべる弁護士には、依頼まではしない方がいいんじゃないかなと思います。

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失敗しない弁護士相談の前にあなたがやるべきこと2つ

  1. 自分の抱えている悩みを事前にリストアップしておく
  2. 関係書籍を読んでおく

弁護士相談の前に、自分の悩みをリストアップすること!

相談する弁護士が決まったら、アポイントの日までになぜ離婚を考えているのか、その原因を整理します。

  • 夫の浮気に悩んでいるのか、
  • 夫が働かないから悩んでいるのか、
  • 夫からのDVで悩んでいるのか、
  • セックスレスで悩んでいるのか、
  • 嫁姑問題に悩んでいるのかなどなど、

悩んでいること、離婚を考える原因の全てを具体的にリストアップしておくことは必須です。

あらかじめ離婚したい理由をリストアップすることで、弁護士に相談する際にスムーズに話をすることができます。

また、弁護士側も法律で認められる離婚理由があるのか、ないのかの判断がしやすくなり時短に繋がります。

さらに、離婚理由をリストアップすることで冷静になるのもメリットです。感情的に動いて良いことはありません。ぜひ、離婚したい理由をリストアップして弁護士の法律相談に臨んでみてください。

弁護士相談前に、離婚の関連書籍を読んでおくこと!

弁護士に相談する前に離婚に関する関連書籍を読んでおくのがおすすめです。

もし、友達から『今度、法律事務所に離婚問題を相談に行く』って聞いたら、
離婚の関連本を絶対にプレゼントしちゃいます。

なぜそこまで本を読むことにこだわるのかと言うと、弁護士との面談の時に離婚問題の関連本を読んて置けばスムーズに相談ができるから。

弁護士との相談では、普段聞きなれない専門用語がどうしても相談の中ででてきます。
その時に、いちいち専門用語を弁護士に解説してもらっているのは時間とお金の無駄です。

離婚関係の書籍は、弁護士の相談料に比べて安いので、相談前に必ず1冊でいいので離婚関連の書籍を読んでおいた方がいいです。ほんと、おすすめ。

 

 

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【番外編】弁護士に格安で相談する方法

無料や格安で法律相談をしている場所を紹介します。

無料の相談窓口

  1. 法テラスを利用する(所得制限あり)
  2. 市町村で行っている無料法律相談室を利用する(実施してない自治体あり)
  3. 弁護士会の法律相談(各地域の弁護士会によっては実施していない会あり)

 

これらの無料の法律相談所は、相談する弁護士をだれにするのかは選べませんが、急ぎであったり、たとえば離婚したいけど、どの程度の証拠が必要なのかなど、ちょっとした質問なら無料の法律相談だけで解決できる場合もあるので、おすすめ。

特にお金に余裕がなく法律相談ができない人は、法テラスをおすすめします。

法テラスとは国が設立した法的トラブル解決の総合案内所

詳しくは、『法テラス 相談をご希望の方へ』を参照

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弁護士への法律相談で忘れずに聞いてほしいことはコレ!

弁護士にぜひ聞いておいてほしいことは、

「今後予想されるもめ事は何か?」です。

まじで。これ超重要。

離婚って夫という相手がいますよね。こちら側がアクションを起こせば、必ず相手側は何らかの行動を起こします。

「離婚してください。」って言って、相手が「いいよ!」って言ってくるならいいですけど、「嫌だね」とか、「離婚しても子供に会わせてくれる?」とか、「子供は渡さん!」とか。

自分が動くことで、相手がどう反応するのかが、正直、初めての離婚で当事者が予測することは不可能です。

でも、弁護士は経験から今後何が起こるか何かしら予測できるものです。
相手の行動が、分かればこちらは先手を打つことができます。

ぜひ、忘れずに弁護士に「今後起こりうるもめ事は何か」、聞いておいてください。

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離婚する時、弁護士に相談してよかった点

離婚する時に弁護士に相談してよかったのは、

  1. 法律で解決できる問題は何か分かった。
  2. 自分に有利に解決する方法が分かった。
  3. 気持ちが整理された。

確かに、弁護士さんができることは、離婚するかしないのか、どちらに決めるのかの後押しをするのではなく、基本的には法律上で扱える問題の解決です。

それでも、相談前に離婚したい理由をリストアップしたり、弁護士の相談では他人に話ずらい話題をじっくり聞いてもらうことは、自分の気持ちが徐々に冷静になるきっかけを与えてくれるものでした。

弁護士に相談したからと言って、離婚しなきゃいけないということもないので、迷っているなら弁護士にとりあえず相談するというのもいいともいます。

また、離婚に関係する条文は、離婚の理由を記した民法770条と、慰謝料請求の根拠となる民法709条710条です。これも覚えて置いて損はないです。

自分にはどんな権利があるのか?親としての義務は?子どもにはどんな権利があるの?そいうったことを整理することは、離婚した人ならだれでも通る道です。

わずらわしいですが、頑張って!

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